セルフ・コンパッション~Self-compassion


"Compassion"とは「慈悲」のこと。

 

「慈悲」とは仏教の言葉で、他の生命に対して楽を与え、苦を取り除くこと(抜苦与楽)を望む心の働きをいい、一般的な日本語としては、目下の相手に対する「あわれみ、憐憫、慈しみ」(marcy) の気持ちを表現する場合に用いられます。

 

普通、慈悲は他者に向けられる気持ちですが、それを自分に対しても向けましょうと言うのが"Self-compassion"です。

 

カウンセリングや心理療法では「共感」(empathy)の大切さについてはよく言及されますが、「共感」(empathy)とは、相手の体験を自らが同じように体験しているように感じ、相手の気持ちを理解できる能力のことを表します。

 

「慈悲」(compassion)は、empathyの気持ちを行動に表します。相手の苦しみや痛みを理解し、共感した上で相手のために何かをしてあげることを意味します。

 

相手が落ち込んでいたら心が落ち着くような場所に連れて行く、困っていたら実際に手を貸す、など相手のために何かをしてあげたいという思いで動くことです。

 

セルフ・コンパッションとは、それを自分に対して行うということですね。

 

どんな時でも「あるがままの自分を受け入れる」こと。

 

他者に手を差し伸べるのは素晴らしいことだけど、その前に自分の状態に気づいて、その時に自分に対して必要や優しさや思いやりを与えることをします。

 

特に対人援助職の方などはバーンアウト(燃え尽き症候群)に陥らないためにも、ぜひセルフ・コンパッションを実践していただきたいものです。

 


お薦め書籍


『セルフ・コンパッション―あるがままの自分を受け入れる』