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アダルトチルドレン(AC)とは


アダルトチルドレン(AC)とは、アメリカでアルコール依存症の治療との関わりの中で生まれた言葉で、親がアルコール依存症の家庭で育った成人のことです。

 

その後、アルコール依存症の親のいる家庭だけでなく、様々な問題を抱えた家族(両親の不和、虐待、経済的困窮、親が病気を持っている、片親など=機能不全家族)の下で育ったために、子供の頃から大人の役割を引き受け続けながら大きくなった人たちのことを指すようになりました。

 

ただし、ACは医療における診断用語や病名ではありません

 

ACと聞くと大人になったのに子供っぽい人たちのように誤解されることがありますが、全く逆です。

 

両親の心が安定している過程で育つ子供は、安心して無邪気なままで勝手気ままに幼少期を過ごします。

その期間に様々な遊びに興じたり、友達・兄弟・親などと時には喧嘩をしたりして様々な感情も体験します。

どんな感情を感じてもある程度は許され、失敗をしても許され、甘えることも許されます。

 

そうした体験を重ねることで自分の感情、好き嫌い、快不快などの感覚を培っていき、自分とはこういう人間であるというアイデンティティーを作り上げたり、自分は何をしたいのか、したくないのかという気持ちが分かるようになり、何よりも人は信頼できる存在であり世界は安全な場所であるという感覚が育っていきます。

 

ですが、機能不全家族の下にいる子供は「母親にこれ以上心配をかけたくない」と思ってわがままを言ったり甘えたり弱音を吐いたりしなくなります。

 

それどころか、家族の中が荒れているのは自分のせいなのではないかと罪悪感を感じてしまったり、お母さん(お父さん)を助けたいと思ったり、自分がこの家族の安定を守るためになんとかしなければと、まるで親のような役割を担ってしまったりするのです。

 

そして自分の素直な感情を抑圧するようになり、常に親に気を使い、親の機嫌・空気を読むようになります。

 

 

その姿勢は家庭の中だけはなく、外の社会に対しても同じように保たれます。

 

 


アダルトチルドレン(AC)の生きづらさ

そのようにして育ったACの人達は社会に過適応する場合が多いので、一見まったく問題なく生きているようにみえるかもしれません。

 

それどころか、優等生だったり、優しい人・良い人、「幸せそうな人」という評判の持主だったりすることがよくあります。

 

でも、ACの方は内面では慢性的な不全感や生きづらさを感じていたり、過剰適応の末にうつ病などを発症したり、時には社会生活に支障が出てくる場合もあります。

 

ACの特徴的な傾向は以下のようなものです。

 

  • 常に周りの空気を読む
  • 人に過度に気を使う
  • NOと言えない、断れない。
  • 人に助けを求められない。
  • 人に弱みを見せられない。
  • 人に甘えられない。
  • 自分が何が好きなのか、何をしたいのか分からない。
  • 「自由にしていい」と言われるとどうしていいか分からなくなる。
  • 本当に気を許せる友達がいない。
  • 常に漠然とした虚しさを感じている。
  • 人と一緒にいても寂しい。
  • 常に心配や不安がある。
  • 生きている意味がわからない。
  • バーンアウト(燃え尽き症候群)
  • 過食嘔吐
  • 身体が過緊張
  • etc.

とにかく幸せであるという感覚を感じられません。

 

アダルトチルドレンは愛着障害とも密接な関係があります。

愛着という観点からの記述は「愛着障害」のページをご覧ください。


アダルトチルドレンからの回復

アダルトチルドレンから回復は、まず自分がACであることを認識することから始まります。

 

家族というのは閉じられた世界なので、自分の家族が機能不全であったことに気づかない場合もあります。

 

親から虐待されていても単に厳しいだけ、しつけだと思うことが多いです。

 

ACであることに気づいたら、まずは大変な環境の中で生き抜いてきた自分を労いましょう。

 

ACの人たちは例外なく頑張り屋ですから、自分に対して「よくがんばってきたね」と言ってあげましょう。

 

 

そして、子供時代から大人をやっていたことで失われてしまった子供のこころを取り戻していきましょう。

 

あなたの中には振り返えられることのなかった傷ついた子供(インナーチャイルド)が潜んでいます。

 

そのチャイルドはとても深く傷ついて、トラウマを持っているでしょう。

 

そのチャイルドを少しずつ癒し、チャイルドの声に耳を傾けていきましょう。

 

 

そして、少しずつ、他者の目を気にし、他者のために生きる生き方から、自分のために生きていくという生き方へと変えていきましょう。

 

「良い人」を演じるのを止めて、ありのままの自分を許していきましょう。

 

 

封印していた様々な感情を感じていきましょう。

 

感情は人生の方向を見極めるセンサーであり、人生を動かす原動力です。

 

自分の感情をしっかり感じることで、自分はそれをしたいのか・したくないのかが分かってきます。

 

したくないことには穏やかに「NO」と言えるようになりましょう。

 

 

困ったときには人に助けを求めていいのだということに気づきましょう。

 

そして「助けて下さい」「力を貸して」と言えるようになりましょう。

 

 

インナーチャイルドがしたかったことを今からでもやってみましょう。

 

小学校にあがるくらいまでにやっていて楽しかったことはあなたの本質(エッセンス)を輝かせるためにとても役立ちます。

 

 

ACからの回復の取り組みに、サポートが必要だと感じられましたらAlma Materにご連絡ください。

 

あなたの回復のためのささやかな力になれるとしたらとても光栄です。

 


<Alma Materのカウンセリング料金>

 

心理カウンセリング60分 8,000円

 



お薦め書籍


『自分のために生きていけるということ』

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『すべての罪悪感は無用です』

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